おい、お前ら。今日は部屋の明かりを消して、ヘッドホンを用意しろ。これまで紹介してきた『マシナリウム』や『サモロスト』が心温まる絵本だとしたら、今日紹介するのは悪夢そのものだ。インディーゲーム界に衝撃を与えた死にゲーの金字塔、LIMBO(リンボ)をレビューするぞ
うおおおお!暗い!画面が真っ暗ですよ!でも『妹を探しに行く』っていう設定だけは予習してきました!妹!シスター!僕も生き別れの妹を探すために、この地獄のような現実世界を彷徨っていますからね!
お前に妹はいないし、もしいたとしても全力で逃げ出しているだろうな。……さて、LIMBOは2010年にデンマークのPlaydeadから発売された作品です。2026年の現在から見れば16年も前のゲームですが、その輝きは全く失われていません。むしろ、その後のインディーゲーム界に『LIMBOライク』というジャンルを作ったほどの歴史的傑作です
こんにちは……。私、このゲームの評判を聞いて少し怖かったんですけど、画面は影絵みたいで綺麗ですね。でも、男の子の目が光っていて、どこか寂しそうで……。大丈夫かな、最後まで見届けられるかな
、悪いことは言わない。覚悟しておけ。このゲームは、美しい見た目に反して中身は極めて残酷だ。それでは、少年と共に辺獄(リンボ)の旅へ出発するぞ
1. そもそも「LIMBO」とは?説明のない物語
まず、このゲームにはセリフもテキストも一切ない。オープニングムービーすらない。ゲームが始まると、森の中で少年が目を覚ます。プレイヤーはいきなり『何をすればいいのか』も分からないまま、少年の操作を任されるんだ
タイトルのLIMBOとは、カトリック神学における『辺獄』を意味します。洗礼を受けずに死んだ幼児や、キリスト以前の義人が死後に行き着くとされる、天国と地獄の中間地点。つまり、ここは死後の世界である可能性が非常に高い
死後の世界で妹探し……!なんて健気なんだ!でも、なんで少年はここにいるんですか?妹さんは生きてるんですか?それとも……
それが一切語られないんだ。ただ『運命に逆らい、妹を探して少年はLIMBOの世界に足を踏み入れる』という一文があるだけ。この情報の欠落こそが、プレイヤーの想像力を極限まで掻き立てるスパイスになっている
- LIMBOの基本情報:
- ジャンル:2D横スクロールアクション&パズル
- 特徴:モノクロの映像美、BGMなし(環境音のみ)、即死トラップ
- ストーリー:一切の説明なし。プレイヤーの考察に委ねられる
2. 美しくも残酷な「死」のバリエーション
あの……さっきから男の子が何度もひどい目に遭ってるんですけど……。罠にかかって、体がバラバラになったり、高いところから落ちて動かなくなったり……。見ていて辛いです
そう、これがLIMBOの真骨頂だ。グラフィックは美しいモノクロの影絵だが、そこで行われているのは容赦のない殺戮だ。トラバサミで首が飛ぶ、巨大な蜘蛛に突き刺される、プレス機で潰される。物理演算エンジンを使っているせいで、死体の挙動が妙にリアルで生々しい
ひえええ!僕、さっきから20回くらい死んでますよ!『あ、何かあるな』と思って近づいたら上から鉄球がドーン!とか、地面から槍がズドン!とか。これ、完全に殺意の塊じゃないですか!
いわゆる『初見殺し』のオンパレードですね。このゲームは『死んで覚える(Die and Retry)』ことが前提になっています。しかし、リトライのロード時間がほぼゼロで、直前からすぐに再開できるため、ストレスよりも『次はどうすればいいんだ?』という挑戦意欲が勝るように設計されています
- ビジュアルと演出の特徴:
- 白と黒の階調だけで表現された、深みのあるアートワーク
- BGMを排除し、風の音や足音だけの環境音が恐怖を煽る
- デフォルメされたキャラだからこそ際立つ、残酷な死亡シーン
が目を覆いたくなる気持ちもわかる。だが、この残酷さがあるからこそ、この世界が『地獄のふち』であることが痛いほど伝わってくるんだ
3. 脳みそと反射神経を試される「パズル要素」
単なるアクションゲームだと思ったら大間違いです。LIMBOの本質はパズルにあります。木箱を動かして足場にする、重力を操作して天井を歩く、水位を調整して進む……。物理法則を理解し、柔軟な発想を持たなければ先へは進めません
僕、あの脳みそに寄生してくる白い虫!あれがトラウマです!頭に取り付かれると勝手に歩き出しちゃうし、光の方にしか進めなくなるし……。僕の脳内も普段からあんな感じで制御不能ですけど!
お前の脳みそは元々寄生虫みたいなもんだが、あのギミックは秀逸だな。プレイヤーの操作を奪うことで焦燥感を煽り、強制的にパズルを解かせる。後半になると重力反転や磁力を使った複雑な仕掛けが増えてきて、アクションの腕前だけでなく、論理的思考力も試されるぞ
パズルが解けた時の『あ!そういうことだったんだ!』っていうスッキリ感は凄いです。でも、タイミングがシビアなところもあって、何度も何度も挑戦して……やっとクリアできた時は、思わず溜息が出ちゃいました
4. 考察が止まらない!エンディングの謎
そして、多くのプレイヤーを議論の渦に巻き込んだのが、あのエンディングだ。ネタバレになるから詳細は伏せるが、クリアしても『やったー!大団円!』とはならない。むしろ謎が深まり、呆然とスタッフロールを見送ることになる
有力な説はいくつかあります。少年は既に死んでいて妹も死んでいる説、少年だけが死んでいて妹は生きている説、あるいは二人とも交通事故に遭ったという説……。タイトル画面の変化や、エンディング後の描写まで含めて、すべてが伏線になっています
えっ、えっ、どういうことですか?僕が頑張ってクリアしたあの苦労は!?妹ちゃんとは幸せになれないんですか!?誰か嘘だと言ってよバーニィ!
答えはない。それが答えだ。Playdeadは意図的に説明を省き、プレイヤーそれぞれの解釈に委ねている。だからこそ、16年経った今でも考察記事や動画が絶えないんだ。クリア後に改めて考察サイトを巡るのが、このゲームの本当の楽しみ方かもしれないな
5. 隠し要素と、2026年のプレイ環境
本作のボリュームは、普通にプレイして3〜5時間程度。現代のゲームとしては短めですが、その密度は濃い。さらに、全ステージに散らばる『卵』を集めることで解禁される隠しステージが存在します
あれは地獄だぞ。画面がほぼ真っ暗で、音だけを頼りに即死トラップを抜けていく。まさに聴覚と精神力の限界への挑戦だ。
、お前には絶対無理だ
暗闇で音だけ……!?それって、僕が夜な夜な部屋でヘッドホンして怪しい動画を見てる時のシチュエーションと同じじゃないですか!いける!僕ならいけますよ!
……
さん、最低です。でも、2026年の今なら、スマホでもSwitchでも、数百円で気軽にダウンロードできるのがいいですよね。ちょっとした空き時間に、異世界に迷い込む体験ができるなんて
まとめ:一度は体験すべき、ゲーム史に残る「芸術的悪夢」
というわけで、LIMBOのレビューだったが、結論だ。『人を選ぶが、一度ハマれば抜け出せない』。残酷表現や鬱屈とした雰囲気が苦手な人には勧めない。だが、独特のアートワークと考察好きには、これ以上の御馳走はない
後の『INSIDE』や『Little Nightmares』といった作品に多大な影響を与えた、始祖としての貫禄は十分です。ゲームを『遊ぶ』というより、『体験する』という表現がしっくりくる作品ですね
僕は諦めませんよ!隠しステージをクリアして、妹ちゃんと真のエンディングを迎えるんです!そのためなら何百回だって死んでやります!
さんのその無駄なポジティブさ、少しだけ尊敬します。でも、あまり根を詰めすぎて、本当の『辺獄』に行かないように気をつけてくださいね
よし、俺たちはこれから、LIMBOの考察議論を朝まで続けるぞ。
、お前は資料として死に様集の動画を作れ。解散!
ええー!僕だけ労働!?乙!
当然の報いだ。乙


